83年版の映画“細雪”を見ました。日本文学好きのレイはもちろん谷崎潤一郎の原作を読んでいて、我が家の本棚にも英語版の小説がしっかり並んでいました。映画の流れはメロドラマ的でありながらも、情緒的な風景と艶やかな着物が古き良き日本の姿を映し出し、その美しいシーンに見とれつつ、こういった映画が、日本人より外国人うけする理由がわかる様な感じもしました。ここしばらくプルーストの小説を読み続け、かつてのフランスの上流階級生活を面白く眺めていましたが、一昔前の日本の上流生活も意外と興味深いことに気づかされました。階級扱いは時代にそぐわないかもしれませんが、品の高い振る舞いと古風な考え方は、これから先も続いてほしいなと思わずにはいられません。