Wednesday, April 13, 2011

手仕事の日本

柳宗悦著“手仕事の日本”を読みました。戦時中に書かれたこの本は、当時すでに、機械化と西洋化の波が押し寄せ、日本固有なものや手仕事の大切さが蔑ろにされつつある中、柳が日本全国を旅してまだ各地に残る地方独特の手仕事の美を紹介したものです。そのほとんどの品物は、すでに時代遅れとなり伝統工芸品となりつつありますが、柳が述べる道徳的手仕事の美は、品物作りに限らず、いつの時代でも変わらない考えであるべきだと思います。
去年4年ぶりに仙台を訪れた際、一層都市化が進み便利になった反面、画一的なつまらない街になりつつあることに非常に残念に思いました。また今回の震災でも、便利な生活に慣れた都心の人達は、物資買いだめ等自己中心的な行為に走り、一方、被災地の村の人達は近所で助け合い自給自足で難を乗り切りました。日本はもっと、このような小さな農村や漁村の存在を大切にし、そこから真の知恵を学ぶべきではないのかと。